EUのDRI輸入、2025年1〜3月は18%減少

DRI

イタリア・スペインが輸入拡大、ドイツは大幅減

主要供給国ロシア・リビアが減速、ベネズエラが急伸

2025年1〜3月期、欧州連合(EU)は直接還元鉄(DRI)の輸入量を前年同期比18%減の58万7,300トンに抑えた。ウクライナのGMK Centerがユーロスタットの統計を基に報告した。

EU内の主要輸入国はイタリア(35万1,600トン、前年比+88.5%)、オーストリア(8万8,300トン、+26%)、スペイン(6万9,860トン、+164%)、ドイツ(8,650トン、-96%)などである。
特にイタリアとスペインはロシアやベネズエラからの供給拡大により、輸入量を急増させた。

ロシアは依然としてEU最大のDRI供給国であり、1〜3月に18万6,300トン(-26.8%)を輸出。うちイタリア向けは14万3,500トン(-16.1%)、スペイン向けは4万2,800トン(前年同期ゼロ)だった。

一方でリビアの供給量は8万8,780トン(-18%)と縮小し、ベネズエラは15万5,490トン(+141.5%)と大幅な増加を記録した。

2025年3月単月では、EUのDRI輸入は前年同月比42.3%増の17万9,170トンに達した。
ロシアからの輸入は7万850トン(+57.5%)、ベネズエラからは4万1,910トン(前年同月ゼロ)だったが、リビアからは大幅減の900トン(-91.8%)に留まった。

2024年、EUは第三国からのDRI輸入を前年比5.4%増の275万トンに拡大。うちロシアは38%を占め、供給依存が依然として高い。
主要輸入国はイタリア(65万9,730トン、-23.7%)、オランダ(52万7,270トン、+423%)、ドイツ(43万8,460トン、-33.5%)だった。

EUのDRI輸入動向は、鉄鋼脱炭素化とサプライチェーンの地政学的リスクの両面から注目されている。

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