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Inflection Resources |
豪州のTennant EastおよびBell Riverプロジェクトが対象に
カナダの探鉱企業Inflection Resourcesは、米大手鉱山会社Newmont Corporationの豪州子会社から、オーストラリアにおける銅・金探鉱プロジェクトの完全権益を取得する契約を締結したと発表しました。
今回の取引には、オーストラリア北部準州に位置する「Tennant East」プロジェクトと、ニューサウスウェールズ州中部の「Bell River」プロジェクトが含まれます。Tennant Eastでは、未探査に近い状態の鉄酸化物銅金鉱床(IOCG)ターゲット12区画がライセンス対象です。
一方で、Bell Riverは豪州屈指の鉱床帯「マッコーリーアーク」内にあり、露頭化したリソキャップが銅・金ポーフィリー系鉱床の上部構造を示唆しているとされます。Inflection側は、これらを高ポテンシャル資産と位置づけています。
宇宙技術とAIを活用する次世代型探鉱戦略
InflectionのCEOであるアリステア・ワッデル氏は、今回の取得が「厳格な評価基準を満たした成果」であると強調。「スケール感と地質モデルの品質が極めて高い」と述べています。
さらに、この新規ポートフォリオは、現在AngloGold Ashantiとの共同で進めるニューサウスウェールズ州の既存探鉱プログラムと並行して開発される予定です。なお、Inflectionは2023年に、マッコーリーアークでの大規模鉱床発見を目的に、Fleet Space Technologies社と提携し、宇宙由来データとAIを融合した探鉱技術を導入しています。
資本市場での動きと今後の展望
今回の発表後、トロント市場でのInflection株価は1.79%下落し、時価総額は約3,090万カナダドル(約2,280万米ドル)となりました。ただし、先端技術による探鉱加速が注目される中、同社の資産取得は長期的な戦略の一環として位置づけられています。
金属フォーカス 編集部コメント
ニューサウスウェールズ州と北部準州は、今後のグローバルな銅供給の鍵を握る新規フロンティアです。今回のInflectionによる資産取得は、技術革新と地質学的選別眼を融合させた次世代型探鉱モデルの進化を象徴しています。