リオ・ティント、チタン・スカンジウム鉱選別技術をケベック州ラック・ティオ鉱山で実証へ

Rio Tinto

鉱石処理の省エネ・高効率化を目指し、ケベック州政府が資金支援

英豪系資源大手リオ・ティントは、チタンおよびスカンジウムを対象とした鉱石選別技術の産業実証プロジェクトを、カナダ・ケベック州のラック・ティオ鉱山(Havre-Saint-Pierre)で開始する。総投資額は760万カナダドル(約8.5億円)で、そのうち250万カナダドルはケベック州政府の支援を受ける。

この取り組みは、鉱石採掘現場でチタン・スカンジウム含有量に基づいて鉱石と廃石を選別するスマート選鉱技術の導入を目指すもので、同技術により輸送・製錬処理のエネルギー負荷や温室効果ガス排出の削減が期待されている。

金属フォーカス編集部コメント

本プロジェクトは、カナダ国内の重要鉱物(CSM)供給網強化に直結する重要な試みである。
特にスカンジウムは、燃料電池や軽量合金の添加材として注目される希少金属であり、安定供給に向けた鉱源開発の推進が求められている。
リオ・ティント傘下のRio Tinto Iron and Titanium(RTIT)は、同社のソレル・トレーシー製錬所と連携し、選鉱効率を改善することで、経済的に採算の取れなかった鉱床領域の活用も視野に入れている。これは、鉱山寿命の延伸や採掘計画の見直しにもつながる可能性がある。

2025年には選鉱設備の設計・試運転、2026年には自動化・濃鉱バッチ生産に移行する2段階計画で、ケベック州が重視する鉱物加工の地産地消・高付加価値化戦略と軌を一にする内容である。


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