コンテナ運賃の急騰、6月中旬にピークアウトの可能性あり

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米国向け航路の逼迫が急騰要因に

コンテナ船のスポット運賃が急騰し、グローバル物流市場に大きな波紋を広げている。
上海コンテナ運賃指数(SCFI)は先週8.1%上昇し、ドリュリー世界コンテナ指数(WCI)は同41%という記録的な伸びを示した。
特に太平洋横断航路の輸送能力がひっ迫しており、米国向け出荷に大きな影響が出ている。

米中貿易政策が価格転換点を左右

しかし、この急騰局面は6月中旬を境に落ち着く可能性が高いと業界では見られている。
アナリスト各社は、各船社が輸送能力を太平洋航路へ振り向け始めていると分析している。
ドリュリーは、下半期にかけて需給バランスが再び緩和し、スポット運賃は正常化へ向かうと予測する。

タリフ政策と301条調査が今後のカギに

ただし、今後の価格推移は米国の通商政策次第という不透明要素も大きい。
バイデン政権は現在、中国製品に対する通商法301条に基づく追加関税の再評価を進めている。
政策次第では再びサプライチェーンに混乱が生じ、運賃相場の乱高下が起きる可能性も否定できない。

金属フォーカス編集部コメント

コンテナ運賃の乱高下は、金属原材料の輸送コストに直結し、製造業全体の調達計画に影響を与える要因となる。
特に半導体や電気自動車など、高付加価値材料を大量輸送する分野ではコスト上昇リスクが無視できない。
今後は米中間の通商交渉や地政学的リスクが物流コストを左右する構造が強まりそうだ。

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