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URU Metals |
高品位硫化ニッケル資源の発見へ前進
ロンドン上場のURU Metals社は、南アフリカ・リンポポ州のZebニッケルプロジェクトにおいて、探鉱加速のため42万ポンド(約8,500万円)を調達した。資金提供は、著名な機関投資家からの自主的な申し出によるものであり、3.5ペンスでの新株1,200万株発行により実現した。
この資金は、空中電磁探査と高度な3Dモデリングに活用される。さらに、重力・磁気・EMデータの統合解析を行い、高精度な掘削ターゲットの特定と資源モデルの再構築を進める。これにより、Zebプロジェクトの高品位硫化ニッケル鉱床の潜在力が一層明確になる見通しだ。
3D地球物理解析で硫化鉱システムを確認
URUは、南アの地球物理コンサルタントGeofocusによる3Dインバージョン解析を通じて、Zebプロジェクトの構造的特性を再評価した。その結果、世界的に著名なUitkomst複合岩体に類似するコンジット型硫化システムが確認された。
解析により、重力・磁気異常と一致するターゲット1および2が設定され、大規模硫化鉱鉱床の可能性が示された。さらに、100m〜800m超の深度で未掘削領域が広がることが判明し、過去の探鉱を大きく上回る地質ポテンシャルが明らかになった。加えて、ターゲット4はこれまでで最も密度の高い鉱化体として特定された。
規制進展と探鉱支援が探鉱加速の追い風に
さらに、2025年4月25日には、Lesego Platinum社によるUitloop鉱区での鉱業権進展が発表された。これにより、Mining Charter IIIへの準拠が確認され、URUの事業基盤が強化された。これらの動きにより、同社は規制上の整合性と投資環境の両面で優位性を持つことになる。
CEOジョン・ゾルバス氏は、「この投資はZebの潜在力を開花させる転換点であり、世界クラスの硫化ニッケル資源確立への鍵だ」と語る。URUは、今後の掘削結果次第で、国際的なバッテリーニッケル供給網における戦略的プレーヤーへと成長する可能性がある。
金属フォーカス編集部コメント
Zebプロジェクトは、従来の探鉱技術と先端地球物理解析の融合により、未開拓ニッケル硫化鉱の新境地を切り拓く事例である。グローバルなEV市場の需要拡大と並行して、南アにおける資源開発の進展は、新たなニッケル供給源の多様化という観点からも業界全体に影響を与える。中長期的には、資源ポテンシャルの顕在化と資本市場の関心拡大が鍵となろう。
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