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銅 |
5月14日、中国と米国の経済・通商協議で重要合意がなされたことを受け、銅市場における投資家心理が改善し、価格は堅調な推移を見せている。
ロンドン金属取引所(LME)の銅価格は9,600ドル/トンの大台を突破し、その水準を維持。上海先物取引所(SHFE)の主力銅先物も上昇傾向で推移しており、中国国内では近月のバックワーデーション(B構造)も縮小傾向にある。
一方、スポット市場の取引は低調で、下流需要は依然として「ジャストインタイム調達」に依存。中国国内のトレード銅は10元/トンのディスカウントを維持している。
LME在庫は18.9万トンまで減少し、世界的な銅供給ひっ迫感が高まる中、中国税関総署によれば、4月の銅および銅半製品の輸入量は43.8万トン、1~4月累計で174.2万トン(前年比3.9%減)となった。
米中貿易休戦と金融政策で銅相場に追い風
中国政府は5月14日から、米国製品に対する輸入関税を34%から10%に引き下げ、さらに24%の追加関税についても90日間の適用停止を発表。これにより、市場のリスク選好が強まり、商品価格を下支えしている。
米国の4月CPIは前年同月比+2.3%、コアCPIは+2.8%と市場予想通りに収まり、インフレ鈍化を背景に米連邦準備制度理事会(FRB)の6月金利据え置きの可能性は90%超となった(CME FedWatch調べ)。
さらに、中国人民銀行は金融安定化のための追加支援策を打ち出しており、市場心理の改善と資金流動性の確保に努めている。
ファンダメンタルズは供給タイトに
パナマの大規模銅鉱山の再稼働見通しが依然不透明な中、世界のカソード銅在庫は歴史的低水準。中国・洋山港での銅プレミアムも高水準を維持しており、国内では季節的な需要のピークに突入したことも、銅価格の下支え要因となっている。
今後も短期的には銅価格は底堅く推移する公算が大きいと見られる。
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