ブラジル、ロシアのインターネクスコにウラン濃縮を委託 アンゴラ原発向け275トン

INB

ブラジル国営原子力企業INB(インダストリアス・ヌクレアレス・ド・ブラジル)は、ロシア国営ロスアトム傘下のインターネクスコ社と275トンのウラン濃縮契約を締結。

同社は、バイーア州カエチテ鉱山で産出されたウラン濃縮酸化物(イエローケーキ)をロシアへ輸送。ロスアトム系列のインターネクスコがウラン六フッ化物(UF6)へと濃縮し、2027年12月までにブラジルへ返還する。これらは、リオデジャネイロ州にあるアンゴラ1号機(640MW)および2号機(1350MW)での燃料として使用される予定。

ロシアとブラジルの原子力協力が継続

今回の契約は国際入札でインターネクスコ社が落札。ブラジル政府は、アルゼンチンの国営企業CONUARとの協力実績に加え、濃縮プロセスの多様化を進める方針を示している。

INBは、引き続き将来的な濃縮業務の入札を複数予定しており、同社の燃料供給戦略の一環として、国際的な核燃料市場の活用を進めている。

国産化を進めるレゼンデ濃縮施設の現状

INBが運営するレゼンデ核燃料工場では、現在10基の遠心分離装置が稼働中で、アンゴラ1号機の燃料需要の約70%を国内でまかなえる体制にあるが、完全自給は数年先と見込まれる。

グローバルな脱炭素・電力安定化の流れの中、ブラジルはエネルギー主権を強化しつつ、外国の技術やサービスを活用して核燃料の安定供給を確保している。



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