カスリーンバレー・リチウム鉱山、地下採掘へ全面移行

Liontown Resources

Liontown、低品位採掘を脱し、高品位鉱石と損失圧縮を狙う

オーストラリアのリチウム生産企業Liontown Resourcesは、西オーストラリア州にあるカスリーンバレー・リチウム鉱山の全面的な地下採掘移行を加速している。これにより、高品位スポジュメン鉱石へのアクセスを確保し、無駄な掘削コストを削減する狙いだ。

年間280万トン処理能力を持つこの鉱山では、2023年11月に地下採掘を開始。2026年第1四半期までに露天採掘を完全停止する計画で、2025年第2四半期から本格的な地下操業の立ち上げが始まる見通しだ。

採掘効率の改善が赤字半減を後押し

Liontownは露天採掘の効率を最大限に高めた上で縮小に踏み切った。2024年第3四半期の廃鉱石対鉱石比率(ストリッピング比)は5.1だったが、第4四半期には1.25へと大幅に改善。同期間のスポジュメン精鉱の生産量は、28,171トンから88,683トンへと3倍以上に急増した。

これらの改善により、2024年下半期の純損失はA$15.1百万(約9.5百万米ドル)となり、前年同期比で51%の赤字削減を実現した。

低迷するリチウム価格下でも生き残りへ

Liontownは、依然としてリチウム化学品およびスポジュメン価格の低迷が収益の圧力となっていると認めつつも、カスリーンバレー鉱山の運営効率が市況の変動を乗り切る鍵になると見ている。

地下操業の進展により、高品位鉱石の供給安定性が高まれば、価格が回復した際の利益確保に大きく寄与するだろう。

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