リチウム価格が急騰:中国大手ザンゲ鉱業の生産停止が市場に与える影響

Zangge Mining Lithium


中国大手ザンゲ鉱業(Zangge Mining)の生産停止を受け、リチウム価格が急騰しました。これは、供給過剰懸念を和らげ、約3ヶ月ぶりの高値水準に達しました。リチウム採掘企業の株価も大幅に上昇しています。リチウム市場は現在、電気自動車(EV)バッテリー材料の供給過剰に直面しています。

Zijin Mining Group傘下のザンゲ鉱業は、青海省西部の鉱山での生産を停止しました。これは地元当局からの命令によるものです。同社は主にカリウムを生産していますが、塩湖由来のリチウムが収益の3分の1を占めています。今年11,000トンの炭酸リチウム生産を目指し、上半期に5,350トンを既に生産していました。生産再開には規制当局の承認が必要です。


中国政府の規制強化と市場への短期的な影響

今回の生産停止は、中国政府が過剰な価格競争を規制する動きと重なります。広州先物取引所の最も活発な炭酸リチウム先物契約は一時5.5%上昇し、その後2.5%の上昇で取引を終えました。この先物価格の上昇は、主要リチウム生産企業の株価を押し上げました。チリのSQMは6.19%、アルベマールは5.95%、シグマ・リチウムは9.97%それぞれ上昇しました。


金属フォーカス 編集部コメント

今回のザンゲ鉱業の生産停止は、短期的なリチウム市場のボラティリティを高めました。しかし、これは長期的な供給構造に大きな変化をもたらすものではないと分析しています。むしろ、中国政府の産業規制強化の動きが、リチウムを含む重要鉱物市場に今後も影響を与える可能性を示唆しています。企業は地政学リスクや政策変更をより綿密に分析する必要があるでしょう。

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