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| Pebble Project |
2025年、金相場は50%超の上昇を記録し、世界の投資家や中央銀行、個人投資家から高い注目を集めています。こうした中、世界のゴールドプロジェクトへの投資と開発計画も活発化しています。鉱山コストや建設期間の延長により、各企業は増産で需要に追いつけるか課題を抱えています。
北米・南米の主要ゴールドプロジェクト動向
北米では、アラスカのPebbleプロジェクトが1位にランクイン。北米最大級の69.84百万オンスの金を保有するものの、環境規制や裁判問題で開発は停滞しています。一方、KSM(カナダ・ブリティッシュコロンビア州)やDonlinなどのプロジェクトは、連邦政府の承認を得て建設・実証段階へ進んでおり、世界のゴールドプロジェクトにおける北米勢の影響力が際立っています。
南米では、コロンビアのLa Colosaやチリ・アルゼンチン国境のFilo del Sol、ベネズエラのSiembra Mineraなどが注目されます。しかし、現地の環境規制や社会的反対に直面するプロジェクトも多く、開発の進捗には不確実性が伴います。加えて、BarrickやBHP、Newmontなどの大手企業が、既存鉱山の拡張や新規プロジェクトへの資本投入を進めており、地域別のリスクと機会が鮮明になっています。
アジア・オセアニアと世界市場への影響
オーストラリアのOlympic DamやインドネシアのOnto、エクアドルのCascabelなど、世界のゴールドプロジェクトは北米・南米だけでなくアジア・オセアニアにも広がっています。特にBHPやValeなどの多国籍企業は、金と銅の複合鉱床を活用し、複数資源の安定供給を目指しています。その結果、2025年の金市場は依然として強気基調を維持し、投資家にとって重要な指標となっています。
金属フォーカス 編集部コメント
2025年の金市場上昇と世界のゴールドプロジェクトの進展は、資源開発戦略と国際投資動向に大きな影響を与えます。特に環境規制や社会的リスクへの対応が、プロジェクト成功の鍵となるでしょう。今後、開発の遅延や新規鉱山の承認状況が、世界の金価格動向に直結する可能性があります。


