南ア・ヒルサイド・アルミ、電力価格契約の透明性に注目集まる中で経済貢献を強調

Hillside Aluminium

年間7.2億ドルの生産と2.7万人の雇用支援、南ア唯一の一次アルミ製造拠点が「脱炭素化」にも前向き姿勢

【ヨハネスブルグ】豪州系資源大手サウス32(South32)は、南アフリカ・クワズール・ナタール州のヒルサイド・アルミニウム製錬所に適用されている電力価格契約について、戦略産業支援政策に基づくものだと強調した。

これは、同製錬所が国内唯一の一次アルミ生産拠点であり、電力グリッドの安定化に貢献しているためだ。電力公社エスコム(Eskom)も、国家エネルギー規制機関(Nersa)への提出文書で、同契約が「他の消費者にも純便益をもたらす」と述べている。

ヒルサイドは、南ア経済に年間約100億ランド(約800億円)を寄与し、従業員・請負業者2,300人、間接雇用含め2万7,400人の雇用を支える。FY24上期のアルミ生産量は53.7万トン(前年同期比1%減)、通年ガイダンスは72万トンで維持されている。

高炭素リスクの中でも脱炭素化計画が進行中

ヒルサイドの課題は石炭火力依存によるScope2排出の多さ(South32全体の94%)だが、風力・太陽光への切替を含む技術的可能性は確認済み。南ア政府と協議が進んでおり、グリーンアルミの価格プレミアムを享受できる体制を構築中だ。

現在、省エネ型AP3XLE技術への切替も半数以上完了しており、長期的には欧州市場の炭素国境調整メカニズム(CBAM)対応にも道を開く見込みだ。

港湾インフラとの長期契約も締結、地域経済を支える要

2024年には、リチャーズベイ港湾当局と15年間のリース契約を締結。これは南ア国内のアルミ二次加工企業への液体アルミ供給を維持し、年間100億ランド規模の輸入代替にも貢献する。

FY21〜24年の賃金支払いは2億6,900万ドル、FY20以降の社会投資は2,400万ドル超、FY19以降の中小企業支援・育成投資は4,100万ドルに達する。

South32のカルビン・ムカベラ南アフリカ業務VPは、**「港とのパートナーシップが当社の持続的操業と地域雇用維持を可能にする」**とコメントしている。

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