BHP支援のソルゴールド、銅市況見据えカスカベル開発を3~4年前倒しへ

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豪ソルゴールド、露頭採掘併用で2028年生産開始を目指す加速案を提示 資金調達と市場再評価狙う

【ロンドン/キト】豪州系ソルゴールド(SolGold)は、エクアドルの主力プロジェクト「カスカベル(Cascabel)」の開発スケジュールを大幅に前倒しし、2028年の生産開始を目指す計画を明らかにした。これは従来の完全地下掘り開発に代え、露頭採掘(オープンピット)との併用で初期生産を可能にする「加速プラン」で、銅市況の逼迫が見込まれる今後数年を狙った戦略だ。

新CEOダン・ヴユチッチ氏(元モルガン・スタンレー、シティグループ出身)は、2024年3月の就任以降、開発加速と資金調達の両立を掲げ、昨年の7.5億ドル金ストリーミング契約に続くパートナー提携や新たな資金調達手段も模索中。

電動化ブームと供給制約が後押し

カスカベル鉱床は、銅と金の豊富な埋蔵量からBHP、ニューモント、江西銅業など世界大手が出資。今後の電動化社会で銅需要が高まる中、新鉱床の確保が困難になるという需給構造の変化を先取りする格好だ。米国のトランプ政権によるサプライチェーン再編・関税政策への警戒感が広がる市場で、加速プランは投資家への新たな訴求材料となる。

BHPとの関係、買収観測には否定的姿勢

最大株主のBHPによる買収観測もくすぶるが、ヴユチッチCEOは「著しく割安な現状では、売却を語ること自体が理にかなわない」とコメント。過去にはガバナンスや資金調達を巡りBHPとの緊張もあったが、現在は関係修復に注力しているという。

先週は中国・江西銅業とのトップ会談を実施し、来週はスペイン訪問を予定するなど、欧中両市場での存在感拡大と再評価に向けた動きが活発化している。

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