仏オラノ、ニジェール政府を提訴 ウラン鉱業子会社への資産押収と職員拘束を巡り

Uranium

仏ウラン大手オラノ(Orano)は5月13日、ニジェール国内での職員拘束および資産没収を巡って、同国の裁判所に提訴したと発表した。訴訟は、「恣意的な逮捕、違法な拘束、ならびに不当な資産没収」を理由としている。

サヘル地域のニジェール、マリ、ブルキナファソの3カ国では、軍政による鉱山資源の国家主権強化を背景に、外国鉱山会社に対する圧力が強まっており、資産の接収や鉱業権の剥奪が相次いでいる。

オラノによると、同社のニジェール鉱業ディレクターであるイブラヒム・クルモ氏と連絡が取れず、先週、同国情報機関(DGSE)に連行されたと報じられている。

また、首都ニアメにある子会社(Somair、Cominak、Imouraren SA、Orano Mining)の事務所には警察が立ち入りを禁止し、職員の携帯電話や電子機器を押収。経営陣は事務所内で尋問を受けたという。

オラノは昨年12月にも、クーデター後の軍事政権によって、同社が63%を保有するソマイル(Somair)鉱山の実効支配権をニジェール政府に奪われたと発表していた。さらに、2024年6月には子会社イムラレン(Imouraren SA)の採掘許可も剥奪され、同様の措置はカナダのGoviEx Uraniumにも及んだ。

マリでは外国企業幹部の拘束や金鉱在庫の差し押さえが発生しており、ブルキナファソでも外国資本の工業鉱山を国家管理下に置く方針が表明されている。

サヘル諸国の資源ナショナリズムがウランや金を含む重要鉱物の国際供給網に与える影響が懸念されている。

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