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欧州HRC |
欧州ホットコイル(HRC)価格は5月13日時点でほぼ横ばいとなった。市場関係者によると、実需の鈍化と価格下落観測が広がるなか、市場は低調な状態にある。
伊国内ではEXW価格620ユーロ/トンで前日比変わらず、南欧CIF価格は5ユーロ安の525ユーロ/トンとなった。北西欧ではEXWルールで640ユーロ/トン、CIFアントワープで540ユーロ/トンといずれも横ばいだった。
「価格交渉より数量優先」、欧州鉄鋼ディストリビューターが実態語る
ドイツのサービスセンター関係者は、「製鉄所は価格引き上げを望んでいるが、市場はそれを受け入れない。顧客は在庫が少なくても短期調達で十分対応可能」と指摘。7月以降の契約も未定で、市場には不透明感が漂っているという。
炭素排出量を証明する「カーボンアカウント付き鋼材」については、「すでに1トンあたり5ユーロ単位で価格交渉している状況で、200ユーロの追加コストを要求するのは非現実的」と語った。
トルコ・EUミルのオファー減、さらなる値下圧力も
別のディストリビューターは、「オファー自体が減少しており、買い手も静観している。販売量は前年の2割」と述べ、トルコや欧州ミルによる価格引き下げの噂が市場を一層弱気にしているとした。
加えて、「高騰する電力価格やドイツ新政権による産業支援政策の効果が現れるのは数週間先」との見方を示した。
一部製鉄所は冷静姿勢、トレーダーは「供給制約が価格を下支え」
ある製鉄所関係者は、「価格にパニックはなく、出荷量も維持されている。中小業者が淘汰される中、大口需要はまだ健在」と冷静な見方を示した。
一方、南欧のトレーダーは「サービスセンターが輸入を控え、ユーロ安も進行中。高炉停止もあり、供給面から価格は維持される」と、価格下落の見通しを否定した。
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STEEL