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Boliden |
スウェーデンの鉱業大手Boliden(ボリデン)は、ノルウェー・オッダにある亜鉛製錬所の大規模拡張工事を完了したと発表した。年間処理能力は従来の20万トンから35万トンへと75%増強され、欧州第2位の亜鉛製錬能力を持つ施設となった。
廃棄物削減・金属回収率向上を同時に実現
新設備には、最新鋭の焙焼炉や硫酸プラント、浸出・精製工程の改良、新たなタンクハウスが含まれており、原料1トンあたりの金属回収量を最大化する設計となっている。これにより、廃棄物削減と持続可能性の両立を目指すボリデンの方針が明確に反映されている。
建設期間中の生産減も、今後はフル稼働へ
ボリデンによれば、2024年のオッダでの亜鉛生産量は151,497トンで前年比7.7%減となったが、これは拡張工事による電解能力の一時的制限によるものと説明している。新設備の本格稼働により、今後は欧州の亜鉛供給を支える中核製錬所としてフル稼働が期待される。
欧州金属インフラの近代化と脱炭素へ貢献
今回の拡張は、欧州の重要金属インフラの近代化と持続可能なサプライチェーン構築に貢献するもので、気候変動対応を重視する欧州鉱業界の方向性とも合致している。ボリデンは引き続き、環境配慮型の精錬事業を戦略の柱として展開していく方針だ。
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