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クリティカルミネラル |
カナダは今、資源開発の熱狂期を迎えている。
英連邦国家であり鉱業大国でもあるカナダとオーストラリアの関係を祝う『The May Two-Four』特集が今年も開催される。これは、5月19日の「ヴィクトリア・デー(Victoria Day)」に合わせてオーストラリアのMining.com.auが発信する年次企画だ。
この呼称は、ヴィクトリア・デーの語呂合わせ(5月24日=Two-Four)と、24本入りビールケース(two-four)の俗称をかけたダブルミーニング。カナダではこの休日がコテージシーズン(夏の別荘シーズン)の幕開けを告げ、各地で盛大に祝われる。
クリティカルミネラル開発が加速、総額7兆円超のプロジェクト群
2024年9月時点で、カナダではエネルギー・森林・鉱業分野で504件の主要プロジェクトが進行中または計画中。これらの合計投資額は**6,326億カナダドル(約70.75兆円)**に達し、2023年の493件・5,705億ドルから大きく拡大している。
このうち138件が鉱業関連(1,171億カナダドル)で、67件はクリティカルミネラル(銅、ニッケル、リチウムなど)関連。EVバッテリーに不可欠な3鉱種に特化した36件だけで417億ドル規模を占めている。
鉱業は71万人超の雇用を創出し、GDPの5.9%を占有。世界に向けた資源供給地としての地位を着実に強化している。
ビールと鉱物が結ぶ豪加関係──1895年から続く資源と価値観の連携
オーストラリアとカナダの貿易関係は1895年に遡る。この年、カナダ政府は初の貿易コミッショナーをシドニーに派遣し、現地に駐在事務所を設立した。以来、両国は鉱業、先住民問題、交通、地域開発、パンデミックからの回復など多くの政策課題で共通点を持ち協力している。
両国はビール文化にも共鳴しており、カナダの年間ビール消費量は1,840kL、オーストラリアは1,780kLと、驚くほど近い数字だ。
「May Two-Four」は、この文化的な共通点と鉱物資源の戦略的連携を象徴する祝祭企画として、今年も注目を集めている。
まとめ:カナダは今、「鉱物とビール」のシーズンイン
カナダではヴィクトリア・デーに合わせて、国全体がクリティカルミネラル開発と鉱業インフラ整備を軸とした成長戦略に突き進んでいる。グリーントランジションとエネルギー転換を支える供給国として、カナダの存在感は今後さらに高まっていくだろう。
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