Nucor 亜鉛めっき鋼価格、需要増加と輸入減少で上昇

Nucor galvanized steel price


米国の大手鉄鋼メーカーNucorは、2025年12月10日より亜鉛めっき鋼製品の価格を引き上げました。基本価格は1,050ドル/ショートトンに設定され、子会社California Steel Industries(CSI)では1,100ドル/トンに引き上げられています。


Nucorの価格引き上げの背景

Nucorは顧客への書簡で、価格上昇の主な要因として低在庫と2026年の需要増加見込みを挙げています。加えて、国内市場では生産コスト上昇と安価な輸入品の減少が価格引き上げを促しています。これらの要因が、Nucorに最低価格引き上げの必要性を生じさせ、市場安定化に寄与すると同社は説明しています。


市場動向と価格トレンド

SMUによると、2025年12月9日時点での亜鉛めっき鋼スポット価格は970〜1,100ドル/トンで、平均1,035ドル/トンとなっています。直近4週間で90ドル上昇し、市場の上昇トレンドを裏付けています。また、Nucorは熱延コイル価格の値上げも継続しており、12月8〜14日の週では前週比10ドル/トン(1.1%)上昇し、930ドル/ショートトンと年初来の高値を記録しています。


価格上昇が示す業界への影響

亜鉛めっき鋼価格の上昇は、建設や自動車など下流産業にもコスト圧力をもたらします。一方で、国内生産者にとっては収益改善の機会となるため、米国鉄鋼市場全体の価格安定化に寄与する可能性があります。


金属フォーカス 編集部コメント

Nucorの価格改定は、輸入減少と国内需要増加が直接的な要因です。今後、亜鉛めっき鋼価格の上昇は北米市場の供給戦略や下流メーカーのコスト構造に影響を与え、2026年の鉄鋼市場動向を左右すると考えられます。

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