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Neo Performance Materials |
欧州・北米拠点強化へ、レアアース供給リスク低減を目指す
カナダのレアアース大手 ネオ・パフォーマンス・マテリアルズ(Neo Performance Materials) は、中国国内に保有していたレアアース分離施設から完全に撤退したと5月23日に発表した。この決定は、同社が昨年開始した戦略的見直しの一環であり、地政学的リスクと価格変動の軽減を目的としている。
ネオは、中国国内の2カ所の分離施設における過半数持分を売却。売却額は非公表とされた。これにより、中国が支配的なレアアース分離加工市場への依存度を低下させる狙いが明確となった。
さらに、ネオは米オクラホマ州クアポーにある三塩化ガリウム事業を売却し、ニオブおよびタンタル事業の湿式冶金部門も閉鎖した。これらの動きは、資源の最適配分と将来的な成長分野への注力を反映している。
欧州での磁石事業に注力、2026年に商業生産開始へ
同社は現在、欧州での永久磁石工場建設を推進中で、2026年の商業生産開始を予定している。この施設は予算通りに進捗しており、今後の成長の柱とされている。
また、ネオは「重希土類の分離能力など、欧州での支援体制の強化も検討中」としており、レアアース分野での垂直統合を模索している。これにより、中国依存からの脱却とサプライチェーンの多様化を目指す。
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