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| Glencore cobalt export |
グレンコア(Glencore)がコンゴ民主共和国(DRC)の新コバルト割当制度に基づき、初の小口輸出を実施しました。この輸出は制度運用をテストするためのもので、政府関係者と貿易関係者によって確認されています。制度開始後の初輸出は、数か月間の禁輸措置による供給制約と価格高騰に対する重要な第一歩となります。
コバルト市場と割当制度の影響
コバルトは電気自動車(EV)バッテリーに不可欠な金属であり、コンゴは世界の鉱山生産量の70%以上を占めています。2025年の推定生産量は約28万トンです。10月16日に開始された新割当制度では、第4四半期の輸出枠を18,125トン、2026年以降の年間輸出を96,600トンに制限しています。最初の本格的な輸出は4月に予定されており、初回輸出はパイロットプロセスとして扱われます。輸出に先立ち、10%のロイヤルティが支払われます。
主要企業の割当と運用上の課題
中国CMOCとグレンコアは最大の割当量を受け、第4四半期にそれぞれ6,650トン、3,925トンを割り当てられました。コンゴの規制当局ARECOMSは、戦略備蓄として10%を保持しています。輸出手続きには当局への通知、サンプリング用のバッチ準備、検査ラボでの品質・数量認証が必要であり、ロイヤルティ支払いが確認されるまで貨物は移動できません。これにより、輸出遅延のリスクや世界的なバッテリー供給への影響が懸念されています。
金属フォーカス 編集部コメント
今回のグレンコアの初輸出は、コンゴの新割当制度がグローバルコバルト市場に与える影響を示す重要な試金石です。中長期的には、制度の透明性向上と主要企業の戦略的対応が、EV向けコバルト供給安定化に寄与すると考えられます。
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