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| CMRG Iron Ore Prices |
中国鉱業資源グループ(CMRG)が鉄鉱石市場の現状について、投機的取引による価格の実態離れを警告しました。研究部門の分析によると、鉄鉱石価格は実需に比べ過剰に上昇しており、現物市場との乖離が進んでいます。今回の指摘は、中国鉄鋼協会(CISA)のWeChatアカウントを通じて公表されました。
鉄鉱石市場の価格動向と投機的要因
CMRGは、鉄鉱石価格の「偽の緊張」が再び顕在化していると指摘しました。具体的には、一部のトレーダーが先物市場と現物市場の両方で活動することで、局所的な需給不安を作り出し、市場心理に影響を与えています。実際、2025年11月7日から12月2日の間に、鉄鉱石価格は5%以上上昇し、約107.8ドル/トンに達しました。しかし、港湾在庫の増加、鉄鋼需要の低下、粗鋼生産の減少にもかかわらず、この価格上昇が起こったことから、投機的要素が価格形成に大きく影響したと考えられます。
CMRG国際鉄鉱石取引会社の設立と戦略的意図
加えて、CMRGは新たに国有国際取引会社「CMRG International Iron Ore Trading」を設立しました。資本金は11億元(約1.6億ドル)で、鉄鉱石や金属原料、非金属鉱物の調達・販売、輸出入、国内外物流、投資・資産運用など多角的な事業を展開します。CMRGは2022年に設立され、中国の主要鉄鉱石サプライヤーとの関係改善と供給多角化を目的としています。11月には、BHPからの低品位鉄鉱石購入停止を命じ、供給管理の強化を進めています。
金属フォーカス 編集部コメント
今回のCMRGの警告は、鉄鉱石市場が依然として投機的影響を受けやすいことを示しています。中長期的には、価格の実需連動性回復と国際取引会社の戦略的活用が、鉄鉱石供給の安定化に寄与する可能性があります。
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