銅価格が最高値更新、中国の景気対策で需要見通しが上向き

Copper Price


銅価格は、米国での在庫積み増しや中国の経済政策を受け、再び過去最高値を更新しました。世界の主要金属市場での供給懸念と需要増加が重なり、投資家や産業界の注目を集めています。


中国の景気政策が銅需要を押し上げ

中国政府は2026年に国内成長を最優先とする方針を発表し、銅を含む工業用金属の需要見通しが改善しました。Cofco Futuresのアナリスト、徐万秋氏は「政策支援による電力網やコンピューティング関連需要が銅に追い風となる」と指摘しています。加えて、米国での在庫積み増しが世界的な供給不足を助長しており、銅価格の上昇圧力が高まっています。


供給不足と投資必要性の高まり

世界的な精銅供給不足は2026年に45万トンに達する可能性があると、シティック証券は報告しています。その結果、銅価格は中長期的に安定供給を確保するために1トンあたり12,000ドル以上を維持する必要があります。近年のデータセンターや電気自動車向け需要の増加、さらに世界各地の鉱山停止が供給逼迫を助長しています。

銅価格は今年、ロンドン金属取引所で34%上昇しました。米国では、予想される関税の影響もあり、コメックスで7月末に史上最高値を記録しています。世界的な需要増と供給制約が重なり、銅市場の先行きは依然として強気です。


金属フォーカス 編集部コメント

銅価格の高騰は、電気自動車や再生可能エネルギー関連インフラへの投資を加速させます。供給不足が続く場合、鉱山開発への資金投入が不可欠となり、銅市場は中長期的にボラティリティの高い局面が続くでしょう。政策動向と在庫動向が価格形成に与える影響は今後も注視が必要です。

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