EU、インド・日本・台湾・トルコ・ベトナム産冷延平鋼輸入の登録開始:反ダンピング調査の一環

EU cold rolled flat steel registration


EUは、インド、日本、台湾、トルコ、ベトナムからの特定の冷延平鋼(CR flat steel)輸入を、進行中の反ダンピング調査の一環として登録することを発表しました。登録は2025年12月4日から適用され、調査終了まで継続されます。この措置により、EU域内へのダンピングが確認された場合、関税を遡及的に課すことが可能になります。


調査概要と対象期間

欧州委員会(European Commission)は2025年9月に調査を開始しました。暫定関税は7か月以内に導入される見込みです。今回の調査では、2024年7月1日から2025年6月30日までの輸入データが評価対象となります。EUは、対象国からの冷延平鋼輸入に対する市場歪みの有無を詳細に分析する予定です。


市場影響と今後の展望

この登録措置は、EU鋼材市場に対する短期的な価格変動やサプライチェーン調整をもたらす可能性があります。特にインドやベトナムなど価格競争力の高い輸入品は、暫定関税が導入されることで輸入量が抑制される可能性があります。一方で、EU域内メーカーにとっては、競争環境の安定化や価格保護のメリットが期待されます。欧州鋼材市場は今後、輸入管理と関税動向を注視する必要があります。


金属フォーカス 編集部コメント

EUによる冷延平鋼の反ダンピング調査は、域内製鋼業の競争力維持を目的とした重要施策です。今後の暫定関税導入は輸入量や価格に直接影響を及ぼし、投資家やメーカーは長期的なサプライチェーン戦略を再考する必要があります。


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