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| Arcelormittal Aviles plant EAF |
グローバル鉄鋼大手アルセロール・ミッタルは、スペイン・アビレス製鋼所での電気アーク炉(EAF)建設プロジェクトに対する環境許可を取得しました。今回のプロジェクトは、アストゥリアス州における鉄鋼業の脱炭素化と生産維持において戦略的意義を持ちます。一方で、最終的な投資判断はまだ同社の取締役会で承認されていません。
脱炭素化と生産柔軟性の両立
アビレス工場で計画されるEAFは、既存のGijón工場のEAFと連携して稼働する見込みです。これにより、伝統的な高炉・転炉ルートと新設EAFルートを組み合わせたハイブリッド生産体制が実現します。生産能力は年間250万トンの鋼材に相当し、鋳鉄とスクラップの利用に加え、直接還元鉄(DRI)の使用も可能です。この構成は、鋼種や将来の認証要件に応じた原料選択の柔軟性を提供します。
さらに、EAFの原料構成を最大で100%スクラップに切り替えることで、CO₂排出量の大幅削減が期待されます。アルセロール・ミッタルは、環境許可取得を受け、地域の脱炭素化戦略に沿った鉄鋼生産の拡大を見据えています。
プロジェクト進行と生産設備の近代化
アビレス製鋼所では、EAF導入に先立ち、既存のコーティングラインが12月26日までの期間で一時停止し、品質向上と生産性改善を目的とした保守作業が実施されています。この近代化は、電気アーク炉導入後の生産効率向上と環境対応を支える重要な準備作業です。
アルセロール・ミッタルの今回の動きは、アストゥリアス地域における鉄鋼業の脱炭素化と競争力強化に向けた戦略的ステップとして注目されます。最終的な投資決定が下され次第、地域経済やグローバル鉄鋼市場への影響も大きくなることが予想されます。
金属フォーカス 編集部コメント
アビレスのEAF導入は、欧州鉄鋼業における脱炭素化の象徴的事例です。ハイブリッド生産体制は原料柔軟性を高め、CO₂削減とコスト効率化の両立が可能です。今後の投資承認次第で、アストゥリアス地域の鉄鋼競争力にも大きな影響を与えるでしょう。


