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| Baosteel HRC |
中国の鉄鋼大手バオステール(Baosteel)は、2026年1月の国内販売向け熱延炭素鋼板(HRC)の価格を1トンあたり100元(約14ドル)引き上げると発表しました。この価格改定は、2025年9月以来初めての値上げとなります。
中国市場での価格上昇の背景
バオステールによる価格引き上げは、供給量を抑制するための生産調整や国内鉄鋼市場の改善を背景としています。11月以降、グローバルな熱延鋼板市場は上昇傾向にあり、欧州や米国では需要の安定化と供給削減が価格上昇を後押ししています。一方、中国市場は季節的な需要減少や輸出競争の影響で価格圧力が続いていました。
中国鉄鋼市場の今後の見通し
2025年、中国は鉄鋼生産量が6年間で最低水準に達する可能性があります。需要の低迷と収益性の低下から鉄鋼メーカーは生産を削減していますが、原材料の購入は依然として活発で、市場に矛盾した動きが生じています。その結果、短期的には5〜10ドル/トン程度の価格調整が見込まれるものの、生産削減や国家による新たなインセンティブがあれば、わずかな回復が期待されます。
金属フォーカス 編集部コメント
バオステールの価格改定は国内市場の供給抑制と価格安定の意図を示しています。今後、中国鉄鋼市場の動向は輸出競争と国内需要のバランスに左右され、グローバルな原料需給や投資判断に影響を与える可能性があります。
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STEEL


