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| China LFP Black Mass Price |
中国のリチウム市場が活況を呈する中、LFP(リン酸鉄リチウム)ブラックマスと廃バッテリーの価格が急騰しています。リチウム価格上昇を背景に、リサイクル業者の購入意欲も高まっています。
LFPブラックマスとリチウム市場の連動
今週、中国国内でのリチウム炭酸リチウム(Li2CO3 99.5%、バッテリーグレード)現物価格は85,000〜87,900元/トン(約11,979〜12,388ドル)に達しました。これは前週比で大幅に上昇しており、特にエネルギー貯蔵用途の需要が強く影響しています。その結果、LFPブラックマスの価格も1%あたり2,800〜3,000元に上昇し、前週から200〜300元の値上がりとなりました。
市場関係者によれば、LFPブラックマスはNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)ブラックマスよりもリチウム価格変動に敏感です。価格上昇はリチウム市場の堅調さと連動しており、中国リサイクル業界の取引活性化を後押ししています。
NCMブラックマス市場とコバルト供給制約
一方で、NCMブラックマスの取引は比較的安定しています。コンゴ民主共和国(DRC)のコバルト輸出クォータ導入により、バージンコバルト市場の強気が維持され、中国国内での支払い比率や市場活動を支えています。現在、NCMブラックマスの支払い比率はニッケル・コバルトで73〜74%、リチウムで72〜73%と、前週からやや上昇しています。
廃バッテリーの入手難と価格上昇
中国の廃バッテリー市場では、LFP EOL(使用済み)バッテリーの価格上昇がNCMよりも早く進んでいます。現地リサイクル業者によると、廃バッテリーの供給は依然として限られており、事前処理企業はスポット市場で高額を支払わなければなりません。多くの廃バッテリーは二次利用に回され、リサイクル市場への供給がさらに制約されている状況です。
LFPプリズマティックバッテリーの取引価格は9,500〜10,000元/トンに上昇、NCMプリズマティックバッテリーは29,800〜32,000元/トンと評価されています。これらの動きは、LFPブラックマスおよび廃バッテリー価格急騰の市場環境を象徴しています。
金属フォーカス 編集部コメント
中国のLFPブラックマスと廃バッテリー価格上昇は、リチウム市場の堅調さと連動しており、リサイクル業者の収益構造にも大きな影響を与えます。今後もリチウム価格の変動とEOLバッテリー供給制約が、アジアを中心とした電池原料市場に波及すると予想されます。


