トルコの鉄鋼生産、2025年8月に月間6.7%増を達成 — 銑鉄生産も14.1%増加

Turkey steel production


2025年8月、トルコの鉄鋼業界は前年同月比7.9%、前月比6.7%増の339万トンの鉄鋼生産を記録しました。世界鋼鉄協会のデータによると、同月の銑鉄生産は前月比14.1%、前年同月比0.8%増の89.1万トンに達し、明確な生産拡大が見られます。トルコは近年のインフラ復興や輸出拡大を背景に鉄鋼産業の回復を進めています。


トルコ鉄鋼産業の動向と生産実績

2025年1月から8月の累計では、トルコの鉄鋼生産量は前年同期比わずか0.2%増の2,488万トンに留まりました。一方で銑鉄生産は前年同期比10.8%減の619万トンと減少しています。2024年は鉄鋼生産が前年比9.4%増の3,689万トンに成長し、銑鉄生産も17.2%増の1,019万トンに達しました。月平均鉄鋼生産量は2023年の281万トンから307万トンに増加し、生産基盤の強化を示しています。

トルコの鉄鋼産業は地震復興関連のインフラプロジェクトの活発化や、グローバル市場の変化を受けた輸出の増加、そして製鉄能力の近代化により、2024年に2年間の停滞を脱して成長を遂げました。これらの要因が生産増加の原動力となっています。


今後の見通しと課題

しかしながら、世界的な需要の不安定化やアジアの鉄鋼メーカーとの競争激化などの課題が、2025年の初頭の生産に影響を与えています。政府の積極的な投資や地域市場の拡大、環境技術の導入によって成長が期待される一方で、原材料価格の下落リスクや地政学的な不安定要因も依然として存在します。世界鋼鉄協会は、2025年のトルコの鉄鋼需要を2024年比1.7%減の3,550万トンと予測しています。


金属フォーカス 編集部コメント

トルコ鉄鋼産業の成長は、復興需要と製鉄能力の近代化が牽引しています。今後は環境規制対応と地域展開が鍵となり、これが競争力強化と持続的成長を支えるでしょう。世界市場の変動にも柔軟に対応することが重要です。

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