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capstone copper mv-o project |
カナダの主要鉱山会社Capstone Copperは、チリのアタカマ地域にあるマントベルデ最適化(MV-O)プロジェクトで環境承認を獲得しました。これにより、同社のチリにおける銅・コバルト生産戦略は大きく前進します。今回の承認は、世界の銅供給に大きな影響を与える可能性があります。
マントベルデ拡張がもたらす生産能力の飛躍的向上
チリ環境評価庁(SEA)による承認は、マントベルデ鉱山の生産量増加への道を開きました。MV-Oプロジェクト稼働後、年間銅換算生産量は現在の97,000〜112,000トンから125,000〜135,000トンに増加する見込みです。加えて、選鉱施設の処理能力は日量32,000トンから45,000トンに拡大し、年間約20,000トンの銅生産量が増加します。この拡張は、世界的な銅需要の増加に対応する上で極めて重要です。
Capstone Copperの社長兼CEOであるCashel Meagher氏は、MV-Oプロジェクトと近隣のサントドミンゴ鉱床が変革的な成長の基盤を築くと述べています。同氏は、マントベルデ・サントドミンゴ地域が「世界最大の銅生産地の一つとなり、極めて魅力的なユニットキャッシュコストを実現する」と強調しました。これは、将来的な銅市場の安定供給に貢献するでしょう。
今後の展望:チリにおける銅・コバルト集積地の形成
Capstone Copperは、MV-O環境影響評価の迅速な承認を、サントドミンゴ鉱山関連の今後の許認可にとって前向きな兆候と捉えています。これら二つの酸化鉄銅金鉱床は、合計で年間250,000トンの銅換算生産量を見込んでいます。この大規模な生産計画は、コバルトの供給安定化にも寄与すると期待されます。マントベルデ鉱山はCapstone Copperが70%、日本の三菱マテリアルが30%を保有しており、硫化物と酸化物両方の鉱石を産出します。
金属フォーカス 編集部コメント
Capstone Copperのマントベルデ拡張承認は、グローバルな銅市場、特に電動化進展に伴う需要増に対する重要な一手となります。チリでの大規模な銅・コバルト集積地の形成は、サプライチェーンの多様化と安定化に寄与し、投資家や政策担当者にとって注目すべき動向です。このプロジェクトは、世界の重要鉱物供給保障に不可欠な役割を果たすでしょう。