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China Green Steel |
中国が産業部門におけるグリーンエネルギー利用目標を拡大しました。ブルームバーグの報道によると、国家発展改革委員会(NDRC)は、鉄鋼、セメント、ポリシリコン製造業者に対し、2025年と2026年に電力需要の25%から70%をグリーンエネルギーで賄うよう義務付けます。2024年の発表では電解アルミニウム部門のみが対象でしたが、今回の最新勧告にはこれら主要産業が含まれました。中国は太陽光や風力発電の成長に伴い、再生可能エネルギー消費量をさらに引き上げる狙いです。
拡大する再生可能エネルギー利用義務と地域別目標
新たな目標の下、中国の各省は水力発電を除く再生可能エネルギー消費において、2025年までに10.7%から30%、2026年までに12.4%から30%を達成する必要があります。目標値は地域によって異なります。これにより、中国全土で再生可能エネルギーの導入と利用が加速するでしょう。今年上半期、中国の再生可能エネルギー部門は設備設置件数を増加させました。これは、将来的な政策変更や収益性への影響を予測した動きの一部です。
過剰生産能力と排出量取引制度の拡大
太陽光エネルギー部門は過剰生産能力に直面していますが、政府支援策への期待が高まっています。NDRCの周海斌副主任によると、5月末時点で中国の再生可能エネルギー設備容量は20.9億kWに達し、第13次5カ年計画(2016-2020年)終了時の目標を2倍以上も上回りました。現在、中国国内で消費される電力の3分の1はグリーンエネルギー源です。さらに、中国は排出量取引制度(ETS)の対象を鉄鋼、セメント、アルミニウム産業に拡大しました。これにより、新たに1,500社が排出量を相殺するために炭素クレジットの購入を強いられます。結果として、対象となる二酸化炭素排出総量は80億トンに達し、中国全体の排出量の60%以上をカバーすることになります。
金属フォーカス 編集部コメント
中国の今回のグリーンエネルギー目標拡大は、主要産業の脱炭素化を加速させるとともに、関連する鉱物資源や素材のサプライチェーンに大きな影響を与えるでしょう。特に、需要の増加が見込まれる再生可能エネルギー関連金属や、炭素クレジット市場の動向は、グローバルな投資家やメーカーにとって注視すべき重要テーマとなります。この動きは、世界の産業構造およびエネルギー転換をさらに推し進める要因となるでしょう。