英国のEV電池リサイクルプロジェクト「Recovas」完了

EMR

サーキュラーエコノミー構築に道筋、再利用・再製造・リサイクルの統合体制を確立

英金属リサイクラーEMR社が主導するEV電池の循環経済構築プロジェクト「Recovas」が、4年間の取り組みを完了した。
本プロジェクトはBMW、ジャガー・ランドローバー、ベントレーといった自動車メーカー、学術機関、エネルギー・リサイクル業界を巻き込んだ官民連携型で、英国におけるEVバッテリーの再利用・再製造・リサイクル体制を初めて本格的に構築したもの。

プロジェクトは2020年11月に開始され、英国バーミンガムに新設されたEMRの電池リサイクル施設で2025年5月7日に最終報告会を実施。APC(Advanced Propulsion Centre)から資金提供を受けていた。

主な成果と産業連携の継続

  • EMRは年間2,000トンのEV電池処理能力を持つ施設に数百万ポンドを投資、14名の雇用を創出。
  • BMWなどは次世代EV設計において再利用・再製造・リサイクルを前提としたガイドラインを策定。
  • Autocraft社はモバイル診断ユニットと再製造プロセスを開発。
  • Connected Energyは、使用済電池の定置型蓄電用途での事業性を確立。
  • ウォーリック大学WMGはリチウムなどの回収技術と迅速診断技術を開発。
  • 英国電池工業化センター(UKBIC)は、ライフサイクル評価と経済性分析モデルを確立。
英国保健安全庁(HSE)は、電池破砕時の有害物質に関する安全評価を実施。
プロジェクトは2025年5月1日、英国の「資源・廃棄物管理優秀賞(LetsRecycle.com Awards)」で最優秀パートナーシップ賞を受賞。関係者は今後も研究・開発・産業連携を継続し、持続可能なバッテリー産業を推進する意向を示している。

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