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レアアース |
レアアース市場では価格の上昇が続く一方で、実需筋の慎重姿勢が強まり、全体として様子見ムードが広がっている。下流の磁性材料メーカーは高値警戒感から買い控えの姿勢を維持しており、押し目買いにとどまる動きが目立つ。供給側は主に酸化物ベースでの提示を行っているが、需要面からみて金属価格の上昇には上値抵抗も見られる。
レアアース原料と酸化物の相場動向
炭酸レアアースの価格は約3万4,200元/トン、モナザイトが約4万500元/トン、中イットリウム・ユーロピウム高含有標準鉱は18万5,000元/トン。鉱山会社の売却意欲は低く、分離精製プラントの購買姿勢も限定的で、需給はいずれも慎重。
プラセオジム・ネオジム酸化物は42.1万~42.3万元/トン、ジスプロシウム酸化物は163万~165万元/トン、テルビウム酸化物は705万~710万元/トン。価格は堅調だが、週末にかけて下流の購入意欲が弱まり、相場は再び軟化傾向を見せた。
金属・素材・スクラップの需給動向
プラセオジム・ネオジム合金は51.5万~52万元/トン、ジスプロシウム鉄合金は158万~160万元/トン、テルビウム金属は875万~880万元/トン。磁性材料企業の需要は弱く、取引は限定的で、依然として様子見姿勢が優勢。
NdFeB焼結素材では、N38(セリウム混合)ブランクが136~146元/kg、40Mが182~192元/kg、40Hが186~196元/kg、45SH(セリウム混合)は236~256元/kg。金属相場の上昇を受けてメーカーが価格を引き上げたが、最終需要は改善せず、取引は伸び悩んでいる。
スクラップ由来の再生プラセオジム・ネオジムは451~457元/kg、ジスプロシウムは1,584~1,606元/kg、テルビウムは5,225~5,445元/kg。酸化物相場の上昇が影響したが、実際の成約は中庸にとどまり、市場心理は慎重を維持している。
今後の相場はニュースフローや下流需要の回復動向に左右される見通しで、特に磁性材料分野での動きが注目される。
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