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| AMG Critical Materials |
オランダの鉱山企業AMGクリティカルマテリアルズ(AMG)は、リチウム加工施設の設置をブラジルとポルトガルで検討しています。これは「完全に西側主導」のリチウムサプライチェーン構築を目指す戦略の一環です。現在、AMGはブラジル鉱山からのスピネル鉱を原料にドイツで水酸化リチウム精錬を行っていますが、高純度化のため一度中国に送る必要があります。この輸送回りを削減することが目的です。
ブラジルでの統合サプライチェーン構築
AMGはブラジル国内での中流処理能力の拡大により、中国依存を減らす方針です。同社はブラジルで二番目のスピネル鉱生産者であり、ポルトガルのバロッソ鉱山開発を手掛けるサバンナ・リソーシズの最大株主でもあります。バロッソ鉱山は推定埋蔵量3,900万トン以上を有し、ヨーロッパ最大級のリチウム鉱山となる予定です。鉱石採掘地に近い場所での加工は、中国への往復輸送を削減し、コスト効率の改善につながります。
ブラジル当局は、中流処理能力の国内投資を通じた重要鉱物のサプライチェーン統合を繰り返し呼びかけています。ルイス・イナシオ・ルラ大統領やブラジル鉱物協会(AMC)も、付加価値加工への政策支援を強化しています。AMG取締役のマイケル・コナー氏は、「豊富な資源基盤、既存の産業能力、付加価値加工への政策フォーカスが、長期投資に有利に働く」と指摘しています。
ポルトガルでの戦略的利点
ポルトガルはドイツ精錬所との地理的近接性を活かし、物流効率とコスト削減を実現できます。バロッソ鉱山は2028年に稼働開始予定で、AMGは欧州とブラジルのどちらで中流加工施設を先に建設するか、規模や順序を現在評価中です。なお、ドイツ精錬所は2026年末までに年間2万トンの水酸化リチウム能力を達成する見込みです。
金属フォーカス 編集部コメント
AMGの動きは、西側主導のリチウムサプライチェーン構築に向けた先行投資の象徴です。ブラジルとポルトガルでの中流加工は、中国依存の緩和と輸送コスト削減に直結します。長期的には欧州・南米連携による安定供給体制が、バッテリー業界全体の競争力向上に寄与すると期待されます。


