米EV市場鈍化でLGエナジーソリューションズのバッテリー販売に影響、ESS戦略で回復目指す

LGES EV battery


韓国の電池大手LGエナジーソリューションズ(LGES)は、米国の電気自動車(EV)市場の鈍化により、EV用バッテリー出荷が10%超減少したと発表しました。しかし、同社はエネルギー貯蔵システム(ESS)分野への積極的な進出で業績回復を狙っています。2025年1月~12月の売上高は前年同期比7.6%減の23.7兆ウォン(約166億ドル)となりましたが、ESSバッテリー収益の40%増加が業績悪化を部分的に緩和しました。


米市場の減速とLGESの財務状況

LGESの10~12月期営業損失は1,220億ウォンに縮小し、前年同期の2,260億ウォンの赤字から改善しました。一方で、前四半期の601億ウォンの黒字からは大きく減少しています。同社CFOのイ・チャンシル氏は、米国の政策変更により2026年のEV市場成長は10%程度にとどまると予想しています。しかし長期的には、ロボットや自動運転車の台頭に伴い、EV市場の潜在力は依然として高いと強調しました。


ESS市場での成長戦略

LGESは、北米の電力網事業者との提携を強化し、2025年に記録した90GWhの受注を超える目標を掲げています。2025年には米国でリン酸鉄リチウム(LFP)ESSバッテリーの生産を開始し、複数の米国エネルギー企業からの受注を確保しました。全社的なESS生産能力は2026年に前年比ほぼ2倍の60GWhに拡大する見込みです。既存EVラインの転用により50GWh以上の追加能力を引き出せるほか、ポーランドや北米の合弁事業のESS生産ラインも稼働済みです。

同社は2025年末時点で46シリーズバッテリーの受注残高300GWh以上、累計ESS受注140GWhを保有しており、これにより短期的な市場変動への耐性を確保しています。さらに、産業の電化、AI・データセンターの電力需要拡大、気候変動に伴う冷暖房需要増などが、ESS市場の長期的な成長を後押しすると期待されています。


金属フォーカス 編集部コメント

LGESの戦略転換は、EV市場の一時的な低迷に対する迅速な対応例です。ESS需要の急拡大は、北米を中心にバッテリー市場の構造変化を加速させる可能性があります。長期的には、EV・ESS両市場の併進戦略が同社の競争優位性を強化するでしょう。


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