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銅価格急変動は、2025年の金属市場を象徴する動きとなった。ロンドン市場では銅価格が一時1トン=1万3,000ドルに迫り、2009年以来の年間最大上昇率が視野に入った。しかしながら、ニューヨーク市場では先物価格が急落し、地域間の価格乖離が鮮明となった。銅は依然として世界の産業活動を映す指標であり、投資家とメーカーの注目を集める。
ロンドン高騰とNY急落の背景
今回の銅価格急変動は、需給と政策リスクが複合的に作用した結果だ。ロンドン金属取引所(LME)では、供給不安を背景に一時6%超上昇した。一方で、LME休場中に取引されたニューヨーク先物は最大6%下落した。加えて、米国での銅関税導入観測が輸入前倒しを招き、価格変動を拡大させた。
米国向け需要が集中する一方、中国需要は減速傾向にある。それでも市場は、関税リスクが米国向けフローを高水準で維持すると見込む。その結果、銅価格急変動は短期的な投機と実需の綱引きを反映する。
鉱山トラブルと長期需給見通し
供給面では、世界各地の鉱山障害が価格を押し上げた。インドネシアのグラスベルグ鉱山では事故により不可抗力宣言が出た。コンゴ民主共和国のカモア・カクラ鉱山や、チリのエル・テニエンテ鉱山でも生産が停滞した。これらの事象は、銅価格急変動の構造的要因となる。
長期的には需給逼迫が深刻化する。BloombergNEFは、エネルギー転換関連の銅需要が2045年までに3倍になると予測する。その結果、市場は2026年にも供給不足へ転じる可能性がある。許認可の遅れとコスト上昇が、新規鉱山開発を難しくする。
金属フォーカス 編集部コメント
銅市場は短期の価格急変と長期の供給不足が同時進行する局面に入った。エネルギー転換とAI投資は銅需要を押し上げ続ける。政策リスクと供給投資の動向が、今後の価格形成を左右する。
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