米国関税政策が日本の鉄鋼業界に与える影響と2026年度需要見通し米国関税政策が日本の鉄鋼業界に与える影響と2026年度需要見通し

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米国の関税政策日本の鉄鋼輸出に大きな影響を及ぼしています。日本の鉄鋼業界は輸出依存度が高く、米国向けの取引阻害が深刻化しています。日本製鉄の社長であり日本鉄鋼連盟(JISF)会長の今井正氏は、同政策により国内外の市場環境が2026年度も厳しい状況が続くと指摘しています。


国内需要の低迷と建設・製造業の課題

経済産業省(METI)は2026年1~3月の鉄鋼需要について、前年同期比1.6%減の1,860万トンと予測しています。特に建設業では労働力不足と資材価格上昇が成長を阻害しており、他の製造業も自動車業界を除き大きな回復は見込めません。一方、公共事業の予算増加により土木工事量はやや増加する見込みですが、労働力不足と急速な資材価格上昇が制約要因として残ります。

自動車産業向け需要も2025/2026年度を下回る見通しです。さらに、中国による電気自動車のASEAN輸出拡大も国内鋼材需要に間接的な影響を与えるとJISFは警鐘を鳴らしています。


米中貿易環境と輸出戦略の変化

今井氏は、中国市場をターゲットとした日本メーカーの輸出活動が増加しており、来年度もこの傾向は続くと述べています。米国関税政策により直接的に阻害される米国向け輸出に加え、中国の輸出攻勢も市場環境に影響を及ぼす構図です。国内の鉄鋼生産は2026年度第4四半期で2,005万トン(前年同期比-1.7%)と予測され、厳しい生産環境が続くことが見込まれます。

加えて、日本政府はクリーンエネルギー活用企業への投資支援として2,100億円を計上し、再生可能エネルギー需要を喚起して地域経済の成長を促進する方針です。これは国内鋼材需要の底上げにもつながる可能性があります。


金属フォーカス 編集部コメント

米国関税政策は日本鉄鋼業界の輸出依存型ビジネスモデルに直接打撃を与えています。加えて、中国の輸出拡大や国内建設業の労働力不足は、需要回復を長期化させる要因です。政策支援による再生可能エネルギー関連需要が市場の新たな成長機会となるか注目されます。

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