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| Silver Prices |
2025年12月、銀価格が史上初めて1オンスあたり66ドルを突破しました。米国の労働市場の弱まりを受け、追加利下げへの期待が高まったことが背景です。これにより、銀は過去1か月で約25%の上昇を記録しました。
米労働市場の変化と利下げ期待が銀価格を押し上げ
米国の最新経済指標は、失業率が4.6%に上昇したことを示しました。これは2021年9月以来の高水準であり、2026年の追加利下げを支持する材料となっています。利下げは利子のつかない資産である銀や金に追い風となり、投資家の安全資産需要を強めました。
特に銀は、金の上昇を牽引する形で値を伸ばしています。Marexのアナリスト、エドワード・メイヤー氏は「銀の次の短期目標は70ドル」と指摘。金も上昇傾向にあり、現在1オンスあたり約4,330ドルで取引されています。
地政学リスクと供給不安も価格上昇を後押し
さらに、米国とベネズエラの緊張の高まりが安全資産としての需要を増幅させています。ドナルド・トランプ前大統領による制裁対象タンカーの封鎖命令は、エネルギー市場だけでなく貴金属市場にも波及しました。加えて、銀の供給不安も価格上昇の一因です。鉱山生産の制約や物流リスクが、投資家心理を支えています。
安全資産としての銀と金は、今年に入り顕著なパフォーマンスを示しています。金は年初から約2/3上昇し、1979年以来の好成績を記録中です。一方、銀は倍増しており、短期的な利下げ観測や地政学リスクの影響が強く表れています。
金属フォーカス 編集部コメント
銀価格の急騰は、米利下げ期待と供給不安の両面が影響しています。今後も地政学的リスクや米経済指標次第で、銀市場は高ボラティリティを維持する見込みです。投資家や産業利用者は、短期的な価格変動に備えつつ、長期的な供給戦略を再考する必要があります。
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