Ivanhoe Electric、アリゾナ州の銅鉱山建設に向けて2億ドルの橋渡し融資を確保

Santa Cruz project


Ivanhoe Electric(アイヴァンホー・エレクトリック)は、アリゾナ州における次世代銅鉱山サンタクルーズ・プロジェクト」の建設に向け、2億ドルの橋渡し融資を確保したと発表しました。

この融資は、ナショナル・バンク・キャピタル・マーケッツ、ソシエテ・ジェネラル、BMOキャピタル・マーケッツの銀行シンジケートによって提供され、サンタクルーズ・プロジェクトの全体的な資金調達戦略の重要な一部を形成しています。このプロジェクトは2026年の前半に建設開始を目指しています。


銅鉱山の長期生産計画とその経済的意義

サンタクルーズ・プロジェクトは、アメリカ合衆国での銅生産の重要な一歩と位置づけられており、特に国内で新たな鉱山の開発が二十年ぶりであることから注目を集めています。プロジェクトが成功すれば、アメリカ国内での銅供給の安定性を確保し、重要鉱物の調達を強化することが期待されています。

Ivanhoe Electricのエグゼクティブ・チェアマンであるロバート・フリードランド氏は、サンタクルーズ・プロジェクトがアメリカ基盤の新たな重要金属企業の成長の第一歩であると強調しました。サンタクルーズ鉱山は、地下鉱床を有し、年間72,000トンの99.99%純度の銅カソードを生産する予定です。鉱山の寿命は23年と予測され、初期の資本コストは12億4,000万ドルに達しますが、銅生産のコストは米国で最も低い水準で運営される見込みです。


投資家にとっての注目点

この融資の発表により、Ivanhoe Electricは強固な財務基盤を築き、サンタクルーズ・プロジェクトの開発に向けた重要なステップを踏み出しました。CEOのテイラー・メルヴィン氏は、融資契約の締結により、今四半期で3億6,000万ドル以上の流動性を確保し、同社が強力な財務ポジションにあることを示しています。

また、Ivanhoeはアメリカの輸出入銀行(Exim Bank)とも資金調達の交渉を進めており、プロジェクトの建設費用を賄うための8億2,500万ドルの融資を検討しています。これにより、サンタクルーズ鉱山の建設費用が一層確実なものとなり、2028年の生産開始に向けた準備が整うでしょう。


金属フォーカス 編集部コメント

サンタクルーズ・プロジェクトは、アメリカにおける銅供給の安定化に寄与するだけでなく、他の重要鉱物プロジェクトの開発にも波及効果を及ぼす可能性があります。今後、プロジェクトの進捗に注目が集まり、国内の鉱業・金属業界に与える影響は大きいでしょう。


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