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Thiess |
自社運用の実績を武器に、鉱山設備の全ライフサイクル支援へ本格参入
グローバル鉱業サービス大手のThiess(ティース)は、鉱山資産のライフサイクル全体をカバーする新サービス「Thiess Asset Services(ティース・アセット・サービス)」の提供を開始した。同社は90年以上にわたり世界最大級の多様な鉱山機械フリートを運用・保守してきた実績を背景に、この新事業で鉱山現場の運転効率と持続可能性向上を支援する。
Thiessは現在、世界7カ国で50超のプロジェクトを展開しており、そのグローバルネットワークを活用し、地域ニーズに柔軟に対応した資産管理サービスを提供する。具体的には、予防保全、機械・部品のリビルド、カーボンファイバー補修、フリートマネジメント、設備レンタル、エネルギー転換支援まで多岐にわたる。
Thiessグループ会長兼CEOのマイケル・ライト氏は「鉱山業界では設備投資の抑制や機械寿命の延長、熟練人材の不足、脱炭素要求など複雑な課題が山積している。我々は自社の課題解決を通じて築いた安全・スマート・持続可能な資産サービスを、今後は外部にも提供していく」と語った。
メカトロニクスやEACONと連携、再生技術と自律走行で脱炭素と効率化を両立
Thiess Asset Servicesは、長年培った再生技術に加え、複数の戦略的パートナーシップも活用する。たとえば、Mechatronix(メカトロニクス)との提携により、炭素繊維補強を用いた軽量・高耐久の補修を実施。これにより機械寿命の延伸とダウンタイム削減が可能となる。
また、中国EACON(イーコン)との連携では、OEMに依存しない自律走行技術の導入を試験中だ。既存車両をコスト効率良く自動化できるこの方式は、鉱山会社の資本負担を軽減しつつ、脱炭素化に貢献する。
Thiessグループで資産および自律技術を統括するライアン・カークウッド氏は、「この新サービスは効率とコスト削減、そして脱炭素化を同時に実現する革新的な提案だ」と述べている。
Thiessはすでに世界各地に機械・部品の再生拠点を持ち、包括的なリビルド支援が可能。今後は、ハイブリッド化やデュアル燃料対応、後付け可能な脱炭素技術の導入など、鉱山フリートの次世代化にも注力する方針だ。
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MINING