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Norsk Hydro |
アルミ再生事業の採算悪化で、英国内生産体制を再編
ノルウェーのアルミ大手ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)は、英国バートリー(Birtley)にあるアルミ押出工場を今月末で閉鎖すると発表した。年間生産能力約1万2000トンを有する同工場の停止は、再生アルミを基盤とするHydro Extrusions事業の見直しの一環で、今後は同国内のティブシェルフ(Tibshelf)およびチェルトナム(Cheltenham)工場に機能を集約する。
同社は、閉鎖に先立ち従業員と代表者との協議プロセスを経た上で決定を下したと説明している。今回の閉鎖により約100名が職を失うが、ハイドロは他拠点での雇用機会の提供に努めており、退職者への支援も行うとしている。
再生アルミ原料不足が再溶解減産と収益圧迫を招く
Hydroによると、世界的なアルミスクラップ供給の逼迫が続いており、リサイクルマージンの低下や再溶解の生産量減少が押出・再生金属事業に打撃を与えている。2025年第一四半期決算でも、再生アルミ部門の厳しい事業環境が報告されていた。
「より不確実な世界情勢の中で、当社の統合型ビジネスモデルと強固なコスト体制は、長期的な価値創出において競争力を維持する支えとなっている」と、ハイドロの社長兼CEOであるエイヴィンド・カレヴィク氏は述べている。
Hydroは、世界中の押出工場において再生アルミを使用した製品供給に注力しており、今回の閉鎖も、持続可能なリソースの最適配分と経済性の確保を両立する戦略と位置付けられる。
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