Cyclic MaterialsとLime、北米でレアアース磁石のリサイクル提携

Cyclic Materials

使用済みeバイク・eスクーターのモーターから希土類を回収へ

カナダのトロントを拠点とするレアアースの循環供給企業Cyclic Materials(サイクリック・マテリアルズ)と、電動キックボード・eバイクなどを展開する米Lime(ライム)は、使用済み電動モビリティのモーターから永久磁石を回収する戦略的提携を発表した。
この提携は、北米で初の本格的なレアアース磁石のマイクロモビリティ向けリサイクル事例となる可能性があり、電動モビリティ業界のサーキュラーエコノミー推進の重要な一歩と位置付けられている。

Cyclicは、米アリゾナ州メサとカナダ・オンタリオ州キングストンの施設を活用し、Limeの米国・カナダ市場向け退役車両のモーターからレアアースを抽出する。対象となるのは、ネオジム鉄ボロン(NdFeB)磁石を中心とする永久磁石で、これらは電動スクーターやeバイクのモーターに多く用いられている。

同社によれば、世界でリサイクルされているレアアース磁石は1%未満にとどまり、米国では2035年までに43,000トン以上のNdFeB磁石が「地上鉱山」として廃棄される見込みだという(Adamas Intelligence調査より)。

Cyclicは自社のMagCycleおよびREEPure技術を活用し、レアアース磁石の選別・回収・精製を行う。Limeのアンドリュー・サヴェージ副社長(サステナビリティ担当)は「この提携は、加工済みの貴重な材料を回収し、再びサプライチェーンに戻すという我々の循環型ビジョンの具体化だ」とコメントしている。

CyclicのCEOアフマド・ガーレマン氏は、「本提携は、持続可能なレアアース供給網構築に向けたモデルケースであり、モビリティ分野における脱炭素化と資源循環の要となる」と述べている。

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