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Minerals Council South Africa |
金融・電力コストが重荷、資源別にばらつきも―南ア鉱業会議所が警鐘
南アフリカ鉱業会議所(Minerals Council South Africa)は5月6日、2025年第1四半期の鉱業投入コストが前年同期と比べて緩やかに上昇した一方、電力・金融コストなどの圧力が依然として重くのしかかっていると報告した。
鉱業入力コストの前年比上昇率は、2月の3.8%から3.4%に低下。この下落傾向は2024年末から続いているが、価格の安定化はまだら模様で、商品別にばらつきが大きいと同会議所は強調する。
金融・電力コストが依然高水準、金属別では金とクロムが最も影響
南ア準備銀行(SARB)が政策金利を11%で据え置き、資金調達コストが依然高止まりしている。これは2009年以来の高水準であり、資本アクセスの障害となっている。また、2025年4月1日から12.74%の電力料金引き上げが実施され、これが将来のコストデータに反映されると見られている。
中でも金鉱業セクターは最も高いコスト上昇を記録。南アでは低品位・深部鉱床の採掘が進んでおり、採掘コストの上昇が避けられない。一方で、金価格は3月に平均2,986ドル/オンス(約175万ランド/kg)と高値を維持し、収益面での一部緩和となった。
クロム、鉄鉱石、マンガンもコスト上昇の上位を占めたが、石炭セクターは安定的で、最も低いコストインフレ率を示した。
原材料と輸送コストに一部緩和の兆し
化学品や工業用資材などの価格は引き続き高水準を維持する一方、コークスや精製石油製品の価格は前年比10%下落し、燃料系コストを下支えした。輸送機器のコストも約5.2%減少し、車両や鉄道部品などの費用が低下している。
また、南アランドは主要貿易相手国通貨に対し4.8%の名目上昇を見せ、輸入品コストの抑制に貢献した。
南ア鉱業会議所は今後について、「原油価格や為替動向の不安定さ、国内政治情勢などの要因から、短期的には投入コストの不均衡な推移が続く」と指摘する。ただし、パンデミック前の長期平均水準よりは安定化の兆しが見えるとも付け加えた。
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MINING