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クリティカルミネラル |
クイーンズランド州が5000億豪ドル規模の鉱物資源開発を加速
オーストラリア・クイーンズランド州タウンズビルにおいて、国内初の重要鉱物共用試験施設「クイーンズランド・リソース共用施設(Queensland Resources Common User Facility)」の建設が開始された。施設は2026年末の稼働を予定しており、鉱山会社が鉱石処理技術の実証試験を行い、試料を市場投入に進めることが可能となる。これにより、商業化の迅速化が期待されている。
プロジェクトの主契約者には、ブリスベンに本社を置くエンジニアリング企業セジマン(Sedgman)が任命された。すでに詳細設計と施工プログラムの実行が開始されている。
当初はバナジウムに焦点を当てるが、将来的にはコバルトや**希土類元素(レアアース)**など他の重要鉱物にも対応可能な処理能力の拡張を計画している。
重要鉱物バリューチェーン構築へ—AMECと州政府が強く後押し
鉱業探査企業協会(AMEC)のウォーレン・ピアースCEOは、「この施設の整備は、クイーンズランドが重要鉱物分野で世界をリードするための大きな一歩だ」と述べ、AMECとしても強く支持していることを表明した。
また、デイル・ラスト天然資源・鉱山大臣は、「本施設はクイーンズランドの資源・エネルギー市場における競争力を高め、製造業、防衛、研究分野の革新を促進する」とコメントした。
さらに、ジャロード・ブレイジー副首相兼州開発・インフラ・都市計画相は、「新政権は本プロジェクトの重要性を認識し、地域雇用創出とクリティカルミネラル能力の強化を目的に救済措置を講じた」と強調。すでに敷地では大規模な造成工事が進行している。
州政府によると、北部クイーンズランドに存在するクリティカルミネラル資源の推定価値は5,000億豪ドルに達し、同施設をタウンズビルに配置することで、北部および北西部地域の地理的優位性を最大限に活用する狙いがある。
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