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Made in Steel |
Made in Steelで広がる警戒感と需要不透明感
2025年5月6〜8日にイタリア・ミラノで開催されたMade in Steel見本市では、欧州フラット鋼板市場の慎重なムードが際立った。
需要低迷、貿易の不安定化、そして複雑化する規制により、参加企業は弱気の見通しを共有した。
最近、欧州全域で製鉄所のオファー価格が上昇傾向にあるものの、規制の不確実性と取引低迷により、価格は依然として圧力下にある。
輸入材への関心は鈍化、見通し不透明
市況に対し一部ではインドネシア産熱延コイル(HRC)が570ユーロ/t(CFRイタリア)で提示されたが、配管用か一般用途かで評価が分かれた。
韓国産HRCの輸入割当枠は会期中に消化されたが、市場の反応は限定的。
「買い手側はアジア材の発注を躊躇しており、国内価格動向を見極めようとしている」とトレーダーは語る。
今後数週間で国内HRC価格は20〜30ユーロ下落する可能性があるという声もあり、サービスセンター同士の競争も激化している。
CBAM制度に対する懸念と混乱
EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)への不安も根強い。
「排出量の基準値や報告方法が不透明」との声が相次ぎ、CIF取引より通関済み材へのシフトが進行中。
「CBAMのヘッジ手段が不明確で、供給網全体でコスト圧力が高まる」との懸念も広がった。
多くの参加者は、需要回復の兆しが見えない中での価格下落リスクに言及し、「見本市後に再評価する」との慎重姿勢を示した。
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