ルーマニアの鉄筋価格は横ばいも、一部で値下がり傾向が浮上

ロング製品

トレーダーの売れ行き鈍化が影響、輸入価格も軟調推移

今週のルーマニアのロング製品市場は、祝日を控えて全体的に落ち着いた動きを見せた。国内唯一の鉄筋メーカーの出荷価格は、先週と同じく590〜605ユーロ/トン(工場渡し)で据え置かれ、小売価格も610〜620ユーロ/トン(倉庫渡し)と変動はなかった。

しかし、業界関係者によると、貿易の停滞や輸入オファーの軟化を受け、一部のトレーダーが販売促進のために価格を引き下げ始めている。市場の一部では、600〜605ユーロ/トンという小売価格での販売も確認されており、今後の下落トレンドの前触れとの見方が出ている。

輸入オファーは下落、トルコ・モルドバの供給に注目

鉄筋輸入市場では、ルーマニア国内で新規契約は見られないものの、トルコからは過去2週間で複数のロットが輸出されたとされ、価格は540〜550ドル/トン(FOB)で取引された。為替レート1ユーロ=1.14ドル、海上運賃25〜30ユーロ/トンを考慮すると、トルコからのCFR価格は495〜515ユーロ/トンと、前週の500〜510ユーロ/トンからやや下落した形だ。

一方、ブルガリアからの鉄筋オファーは620〜640ユーロ/トン(CPT)で安定し、エジプトからのワイヤーロッドおよび鉄筋のオファーもそれぞれ560〜565ユーロ/トン(CPT)、550〜555ユーロ/トン(CPT)と、前週比で変化は見られない。

注目されるのは、近くモルドバからの鉄筋オファーが再開されるという情報だ。以前の提示価格は610〜620ユーロ/トン(CPT)で、価格競争力を武器にルーマニア市場の需要を取り込む可能性がある。

現在、ルーマニアのワイヤーロッド市場でも弱含みの展開が続き、国内価格は580〜595ユーロ/トン(倉庫渡し)で横ばいとなっている。

コメントを投稿