シグマ・リチウム、ブラジルのリチウム生産量を2026年までに倍増

Sigma Lithium

EV電池市場に向けて52万トン体制を構築へ

カナダのシグマ・リチウム(Sigma Lithium)は、世界的なEVバッテリー需要の急増を受け、ブラジル・ミナスジェライス州のGrota do Cirilo鉱山におけるリチウム濃縮物の年間生産能力を2026年までに52万トンへ倍増させる計画を発表した。拡張工事は2025年第4四半期に完了予定で、現在の27万トン体制から大幅な増強となる。

2026年の生産見通しは52万トンとされ、これは2025年見込みの30万トン、2024年の24万トンから着実な増加を示す。シグマはこの拡張により、EVバッテリー向けリチウム供給の中核プレイヤーとしての地位を確立する構えだ。

CIF中国500ドル/トンの低コスト体制

同社はあわせて価格ガイダンスも公表し、CIF中国ベースでトン当たり500ドルのキャッシュコストを見込んでいると述べた。このコスト効率の高い供給モデルにより、中国をはじめとするアジアのバッテリーメーカーへの競争力を強化するとしている。

リチウム供給源の多様化を進める世界の自動車メーカーにとって、ブラジル産の選択肢はますます重要性を増しており、シグマの事業はカナダとブラジルの重要鉱物分野での連携強化にも資すると考えられる。これにより、従来の供給国であるオーストラリアや中国への依存が緩和される可能性もある。


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