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承認プロセスを迅速化し、知的財産を保護
ドイツの積層造形(AM)技術大手EOSは、医療機器分野における規制承認プロセスの迅速化を目的に、「医療機器マスターファイル(Medical Device Master File)」を発表した。このファイルは、事前に検証された技術データをまとめたもので、米国市場における煩雑な規制対応を効率化する。
米国での医療機器承認は、試験や文書提出、当局との対応が必要で、通常は時間とコストがかかる。EOSの新しいマスターファイルにより、製造業者は独自の知的財産(IP)を直接規制当局に提出可能となり、顧客への情報漏洩リスクを回避しながらコンプライアンスを確保できる。
このファイルは、複数の医療機器メーカーが参照可能であり、重複する規制対応を削減。EOSは、テストの簡素化、重複検証の回避、市場投入の迅速化が実現できると説明している。
医療AM分野の認証支援を強化
EOSのEMEA地域Additive Minds責任者であるダヴィー・オリー氏は、「EOSは医療機器の認証に関する豊富な知見を活かし、顧客の規制対応を全面的に支援する」と強調。「新しいマスターファイルは、メーカーが承認プロセスをより短期間で、安全かつ確実に進める手助けとなる」と述べた。
EOSのファイルでは、重要なパラメータが既に評価済みで、製造業者はEOSの検証済プロセスと同等の性能を証明するだけで済む。これにより、自社での膨大な検証作業が不要になり、規制対応の迅速化とコスト削減が期待されている。
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