NKT、Hydroと2033年までの低炭素アルミ供給契約を締結

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欧州電力網の脱炭素化と素材安定供給を実現へ

デンマークの電力ケーブル大手NKTは、ノルウェーのアルミニウム大手Hydroと2033年までの長期供給契約を締結した。契約は低炭素アルミニウム製ワイヤーロッドの供給を対象とし、契約総額は最大10億ユーロ(数量・価格・期間により変動)に達する見込みだ。

この契約により、NKTは中・高電圧ケーブル製品の脱炭素化を加速し、顧客にカーボンフットプリントの小さいソリューションを提供可能となる。また、欧州域内での持続可能な原材料供給体制を強化することにより、地政学的リスクへの備えも進める。

NKTのCEOクラエス・ヴェスタリンド氏は「この契約は、欧州域内からの安定的な低炭素アルミニウム調達を可能にし、電力ケーブル業界におけるサステナビリティのリーダーシップを強化するものだ」と述べた。

欧州脱炭素社会の基盤支える「責任ある調達」

アルミニウムは電力インフラの中核部材であり、その製造過程の排出量を削減することは電力供給網全体の脱炭素化に直結する。HydroのCEOエイヴィンド・カレヴィック氏は、「欧州はエネルギー価格を下げ、再生可能エネルギーを導入し、競争力を強化するために、今こそ責任ある素材供給網の構築が急務」と語る。

両社は今回の契約を通じて、低炭素素材を地域から供給する欧州主導の脱炭素サプライチェーンの構築を目指す。これは、化石燃料依存からの脱却と同時に、再エネインフラの安定供給体制を支える戦略的動きでもある。

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