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copper cathodes |
米国ホワイトハウスは、銅カソード、鉱石、スクラップなどの投入材を50%の追加関税から除外しました。その結果、水曜日の米国銅先物価格は急落しました。同時に、一部のスクラップ輸出制限も発表しています。この大統領令は、半加工銅製品(パイプ、ワイヤー、ロッド、シート、チューブ)と銅を多く含む派生製品(パイプ継手、ケーブル、コネクタ、電気部品)に8月1日付で50%のセクション232関税を課します。一方で、カソード、アノード、マット、鉱石、スクラップ、その他の原材料形態は輸入関税の対象外としました。
広範な関税期待からの転換
この明確化により、広範な関税適用を期待して高騰していた米国の銅先物価格は大幅に下落しました。CMEの次期最活発限月は、5.59ドル/ポンドで引けた後、アフターマーケット取引で1ドル/ポンド以上も急落しました。この契約は最近数週間で3度の過去最高値を記録し、7月8日には史上最高の5.82ドル/ポンドを記録していました。トランプ大統領は大統領令の中で、新しい関税は製品の銅含有量に適用され、非銅含有量には相互関税またはその他の関税が適用されると述べました。これらは累積されません。製品が25%の自動車関税の対象である場合、自動車関税が適用され、セクション232の銅関税は適用されません。
スクラップ輸出規制と国内供給の強化
トランプ大統領はまた、米国で生産される高品質な銅スクラップの25%を国内で販売するよう商務長官に義務付ける権限を与えました。商務省は、米国銅企業の「競争条件を平準化する」ために、高品質銅スクラップの輸出許可を義務付けることも推奨しました。この措置は、国内の銅産業を保護し、供給を安定させる狙いがあります。これらの政策変更は、世界の銅市場に大きな影響を与え、サプライチェーン全体の再編を促す可能性があります。
金属フォーカス 編集部コメント
今回の米国の関税措置は、銅のバリューチェーンにおいて「加工度」を重視した保護主義的な色彩を強く帯びています。原材料段階の銅を免除し、加工品に高関税を課すことで、国内の製造業を優遇し、雇用創出を図る意図が明確です。これにより、グローバルな銅製品の貿易フローと供給網に大きな変化が生じるでしょう。特に、中国や他のアジア諸国からの半加工品輸出に影響が及び、新たな国際分業の動きが加速すると考えられます。