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AngloGold Ashanti (Australia) |
Doropo・ABC両案件を最大1億8500万ドルで譲渡、西アフリカ資源ポートフォリオを再編
AngloGold Ashanti(アングロゴールド・アシャンティ)は、コートジボワールのDoropo(ドロポ)およびABC金鉱プロジェクトを、オーストラリアのResolute Mining(リゾリュート・マイニング)に最大1億8500万ドルで売却することで合意した。売却対象には、両プロジェクトを保有するCentamin West Africa社も含まれており、取引はすでに完了している。
同社は2024年11月にCentaminを買収して資産を取得していたが、ポートフォリオの再評価の結果、ドロポの開発投資と社内資本配分の競合を踏まえ、西アフリカに重点を置く事業者への譲渡が望ましいと判断。初期段階にあるABCプロジェクトも併せて売却された。
Resoluteはすでにコートジボワールで探鉱活動を行っており、本件により同国での事業展開を大幅に拡大する。
Doropo鉱山は年間16.7万ozを想定、10年の寿命見込む
ドロポは、北東部アビジャンから約480kmに位置し、7鉱区1,850km²にわたる広大な探鉱許可区域を含む。中でも7km圏内に集中する「メイン資源クラスター」内に13の鉱床が確認されており、2024年にはDFS(最終実現可能性調査)も完了。環境影響評価や環境許可はすでに承認済みで、鉱業ライセンス申請も行われている。
同プロジェクトの確認鉱量は90万オンス(g/t 1.02)、予測鉱量は30万オンス(g/t 1.23)。確認済み及び予測可能埋蔵量は190万オンス(g/t 1.53)で、年平均生産量は16.7万オンス、寿命は10年とされる。
一方、ABCプロジェクトはアビジャンから約550km北西、ドロポから約460km西に位置し、3つの探鉱区(1,148km²)で構成。推定鉱量は160万オンス(g/t 0.98)にのぼる。
Doropoの対価は最大1億7500万ドルで、即時25百万ドル、18か月後に50百万ドル(Mansala案件が成立しない場合は追加25百万ドル)、30か月後に75百万ドルが支払われる。ABCに関しては、JORC準拠で100万オンスの埋蔵量が確認された時点で1,000万ドルが支払われ、2%のNSR(製錬後純売上ロイヤリティ)も発生する。
Mansalaプロジェクトを引き換えにGuineaでも協力拡大へ
取引には、Resoluteが保有するギニアのMansalaプロジェクトのAngloGoldへの譲渡も含まれており、同社が操業するSiguiri鉱山のブラウンフィールド拡張として活用される見通し。ただし、ライセンス更新とギニア政府の承認が必要で、18か月以内に成立しない場合は本譲渡は無効となる。
AngloGoldのCEO、アルベルト・カルデロン氏は「本件により資本配分の規律を維持し、既存資産の効率向上に注力できる」とコメント。
ResoluteのCEO、クリス・エガー氏は「コートジボワールにおける生産量の拡大と地域分散化を図る好機」とし、今後の金産出規模を50万oz以上へと拡大する計画を明かした。
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MINING