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イタリアの粗鋼生産 |
1〜4月累計では3.8%増、生産回復基調も月間変動は依然大きく
イタリア鉄鋼業界団体Federacciaiによると、2025年4月のイタリアにおける粗鋼生産量は179.9万トンとなり、前月比で10.8%減少した。一方、前年同月比では6.1%増と回復の兆しが見られる。
2025年1〜4月累計では、粗鋼生産量は733万トンに達し、前年同期比3.8%の増加となった。
長材は建設需要が支え、平鋼は依然として弱含み
品種別では、4月の平鋼生産量は81.7万トンで前年同月比13.3%増ながら、前月比では9.6%減となった。1〜4月の累計では330万トンで、前年同期比10.5%増となっている。
一方、長材の4月生産量は110万トンで、前年同月比6.5%増、前月比8.3%減。1〜4月累計では420万トンで、前年比0.9%増だった。建設分野の需要が長材の下支えとなっている。
2024年は年間5%減、平鋼の低迷が継続
GMK Centerのデータによれば、2024年のイタリアの年間粗鋼生産量は前年比5%減の2,000万トンだった。とくに平鋼は前年比9.7%減の860万トンにとどまり、自動車産業の不振や輸入材との競争激化が影響した。一方、長材は1,170万トンで0.2%減にとどまり、堅調な建設需要が支えた格好だ。
欧州では回復傾向も、世界ではわずかに縮小
EU全体では2024年の粗鋼生産量は前年比2.6%増の1億2,950万トンとなり、回復基調が鮮明となっている。ただし、世界全体では同0.9%減の18億4,000万トンにとどまり、依然として不安定な需給環境が続いている。
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STEEL