中国の鉄鉱石生産、1〜4月で前年比12%減 輸入量は減少も需要は堅調

鉄鉱石

生産抑制の一方で製鉄需要は高水準、価格は1トン98ドル前後で推移

中国国家統計局(NBS)の最新データによると、2025年1〜4月における中国の鉄鉱石生産量は3億2,860万トンとなり、前年同期比で12.2%減少した。4月単月では8,470万トンで、前年同月比では4.9%の減少となった。

鉄鉱石生産の縮小傾向とは対照的に、製鉄業界の需要は依然として堅調だ。GMK Centerによると、中国の製鉄会社による1〜4月の粗鋼生産量は3億4,535万トンで、前年同期比0.4%増を記録している。

輸入価格は下落傾向、需要に支えられた海上輸送は回復

2025年4月の鉄鉱石の海上輸送量は1億3.14万トンで、前月比9.8%増、前年同月比でも1.3%増となった。一方、鉄鉱石の平均輸入価格は1トンあたり98.1ドルで、前年同月比で13.3%の下落となっている。

同期間(1〜4月)の累計輸入量は3億8,836万トンで、前年比5.5%の減少となり、平均輸入価格は98.9ドル/tと、18.6%下落した。

4月中の鉄鉱石価格は狭いレンジ内で推移しており、最安値は4月8〜9日の96ドル/t、最高値は4月1〜2日の104ドル/tだった。

政府の生産抑制計画は依然不透明、需給バランスに注目

3月には中国政府が製鉄業界の再編計画を発表し、今後の粗鋼生産量を抑制する方針を示したが、現時点では具体的な実施時期や対象となる生産量などの詳細は明らかにされていない。

こうした政策の不透明感にもかかわらず、鉄鋼メーカーは積極的な生産計画を維持しており、鉄鉱石の輸入需要を下支えしている。国内生産の縮小が進む中、中国の鉄鉱石市場は引き続き国際市場への依存度を高める可能性がある。

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